京都スタジアム2年遅れ (朝日新聞)

京都スタジアム2年遅れ

 ▽19年度末目標 設計やり直し

 亀岡市に建設予定の京都スタジアム(仮称)の完成が、予定していた2018年3月より最大で2年ほど遅れることがわかった。府と市は24日、国の天然記念物アユモドキの生息域を避け、JR亀岡駅北東側に建設地を移転すると合意。すでに新建設地の地権者の合意は得たが、スタジアム本体の設計をやり直すため、予定より着工が遅れることになった。

 ▽亀岡駅北東で合意 府・市

 スタジアムをめぐっては、専門家会議が3年にわたり建設予定地周辺に生息するアユモドキの保全策を考えてきた。会議は今年4月、「調査に少なくともあと3年はかかる」として、建設地の移転を府と市に提案。市は移転先とされた亀岡駅北土地区画整理組合や地権者らと、土地買収について交渉。地権者49人全員が土地の提供に合意した。

 山田啓二知事、桂川孝裕・亀岡市長、専門家会議の村上興正座長が24日、府庁で面会。山田知事は、提案を受け入れる条件だった(1)地元の理解と協力(2)既存の予算内での対応(3)国も含めたアユモドキ保全の確保の3点が満たされたとし、建設地の移転に同意した。府は設計をやり直し、17年度中の着工、19年度末までの完成を目指すという。

 土地取得を担当する市は、約18億円かけて桂川右岸の土地買収などを進めてきた。区画整理された新建設地3・2ヘクタールを買収するには約34億円が必要とされる。だが、亀岡市が想定するスタジアム関連予算は総額約50億円で、買収に使えるのはあと20億円ほどだ。

 府は、従来の建設地で洪水対策や生態保護のために必要だった特殊な工事が不要となるため、スタジアム本体の建設費を十数億円削り、市の不足分を穴埋めできると見込む。だが、山田知事は「資材の高騰などがあれば新たな財源を考える」と述べ、予算が府市が確保する206億円を上回ることに含みを持たせた。

 地元の保津町自治会は、過疎や高齢化の問題を打開しようと、新しい建設地付近にマンションや商業施設を誘致するなどの構想を練ってきたが、変更を受け入れた。塚田勇会長(72)は「反対して亀岡からスタジアムが逃げるようなことがあってはならないと、みんなが切り替え、早い段階で判断できた。新しい計画のもとで亀岡の活性化に期待したい」と話す。

 亀岡市は今回の変更を機に、スタジアムを複合商業施設のようなものにしたい考えだ。面会を終えた桂川市長は「単なるスタジアムではなく、ホテルやテナントなどが入った施設になるよう、府に要望していきたい」と述べた。

以上、朝日新聞のWebサイトより引用