スタジアム計画見直しも…用地や財源、課題山積 京都・亀岡 (京都新聞)

スタジアム計画見直しも…用地や財源、課題山積 京都・亀岡

京都府が亀岡市に建設を予定する球技専用スタジアム計画が岐路に立っている。周辺に生息する国の天然記念物アユモドキへの影響を調査する環境専門家会議が建設予定地の移転を提言し、府と市は一から計画の見直しを迫られている。新たな用地の買収や財源の確保など課題は山積みで、先行きは依然不透明だ。

 専門家会議が移転を提言した理由は、スタジアム建設とアユモドキ保全の両立には「さらに調査や実証実験を重ねる必要がある」と判断したため。府と市は提言通り、建設予定地を現在の保津町の桂川右岸から亀岡駅北土地区画整理事業地に移す方針を決めた。

 府が2011年にスタジアム建設候補地を公募した際、名乗りを上げた地元自治体が用地を無償提供することを条件にした。このため市は現在の建設予定地を約14億円ですでに買収済みで、今回の移転によって新たに用地を確保しなければならない事態となった。

 市が移転先の地権者に土地の提供を正式要請したのは6月28日だった。桂川孝裕市長は「提言に従って駅北(の土地区画整理事業地内)にスタジアムを作るか、亀岡では作れないか、残る道は二つ」と退路を断った。

 移転先は土地区画整理事業地のうち東側の約3ヘクタールで、地権者は50人程度とみられる。当初の区画整理事業では商業施設やマンションを建設し、定住人口を増やす予定だったが、突然大幅な変更を迫られることになる。

 地権者の間では「スタジアムが来ないと(活性化せず)さらに亀岡がだめになる」(60代男性)と売却に前向きな意見がある一方、慎重な声も少なくない。70代男性は「スタジアムは保津町に建て、駅北は本来のまちづくりをするべきではないか」と複雑な思いを明かす。

 買収額はまだ明らかではない。桂川市長は「当初から市議会に説明しているスタジアム関連費50億円の範囲内で進める」とし、移転先で道路整備費などを抑えることで20億円程度を捻出し、新たな用地買収費にあてる考えを示す。それでも不足する可能性があるため府にも財政支援を要請している。

 だが、建設予定地や関連事業の内容が変わっても当初想定していた事業費をそのまま使えるのか、十分な議論ができていない。6月定例会でも一部市議から「中身が違えば50億円は認められない」との指摘があった。

 一方、スタジアム本体を建設する立場の府は、建設予定地の変更条件として地元合意と財源確保、アユモドキ保全の3点を挙げる。その上で府文化スポーツ部の中島勇理事は市の支援について「地権者にどう理解いただけるか。移転先の用地費が決まり、市が府に求める支援額がどれくらいになるのかを見極めたい」としている。

 事実上振り出しに戻ったスタジアム計画。移転先となる建設予定地の地権者や、巨額の関連事業費を負担する市民の理解を得るためには、これまで以上に丁寧な説明が求められる。

【 2016年07月03日 11時11分 】

以上、京都新聞のWebサイトより引用