2016年6月27日付のWWF(世界自然保護基金)のWebサイト記事です。

天然記念物アユモドキの保全、新たな段階へ

草刈です。
昨日京都府の職員の方が、私たちの事務局を来訪されました。

現在、京都府と亀岡市が推進している「京都スタジアム(仮称)」建設計画について、面会の要請をいただいたのです。

この計画は、日本固有の淡水魚で絶滅危機種でもあるアユモドキの生息域で進められようとしています。

そのため、計画の諮問機関である環境保全専門家会議や、日本魚類学界、WWFなど多くの自然保護団体が、見直しを求めてきました。

天然記念物のアユモドキ。IUCNのレッドリストでは、絶滅危機が最も高い「CR(近絶滅種)」にランクされている
そして先日、専門家会議が計画予定地の変更を提案したことを受け、京都府はその方針で進める意思を表明。

今後設置する協議会にWWFも参加してほしい、という要請を今回受けたのです。

自然保護団体として、こうした信頼をいただけたことは、とても嬉しいことです。

ですが、この協議会が新しい候補地での計画推進を前提にしたものならば、参加はできません。

従来の候補地では、検証の結果、明らかな影響のあることが指摘されていましたから、これが変更になるのであれば、それは評価すべきですが、新候補地での計画推進が、アユモドキに悪影響を及ぼさない、という保証はまだ無いのです。

京都府亀岡市のアユモドキの生息地

そこで、私からは、川を挟んで隣接する旧候補地(亀岡市都市計画公園)と新たな候補地(亀岡駅北土地区画整理事業地)を一体として検討することが重要と指摘しました。

また、協議会より先に「準備委員会」を立ち上げることも提案しました。

これは、保全、計画推進、反対、あらゆる立場の意見を、一度集約し、協議会が取り組む課題を明らかにするための場です。

私たちは決して、スタジアムの建設に反対しているわけではありません。

ただそれが、一つの種(しゅ)を絶滅に追い込む、汚点を残すような歴史になってはいけないと思います。

以上、WWF(世界自然保護基金)Webサイトより引用