スタジアム説明会に府も 亀岡の市民団体 市に依頼書 (京都新聞)

スタジアム説明会「府も出席を」 京都・亀岡、市民団体が依頼書

 京都府亀岡市の市民団体「亀岡みらい会議」は1日、市が22日に予定する京都府の球技専用スタジアムの住民説明会について、建設主体の府にも参加を求める依頼書を市に提出した。

 依頼書では、市はスタジアムが府の事業であるとして、スタジアム本体に関して「説明を避けてきた」と指摘。住民説明会では、建設予定地が変わったにもかかわらず、府が旧予定地での建設を前提にまとめた基本設計の一部変更で対応していることへの市の考えや、スタジアムや周辺整備に関する市の実際の負担額を明らかにするよう求めている。

 高向吉朗会長は「場所が変わればスタジアムの中身も変わる。府との合同説明会にしてほしい」と述べた。

【 2016年11月02日 10時03分 】

以上、京都新聞より引用

亀岡みらい会議 依頼書全文

2016年11月1日
亀岡市長
桂川 孝裕 様
亀岡みらい会議 会長 高向 吉朗
京都府亀岡市






京都スタジアム(仮称)誘致に係る市民説明会について(依頼)

 昨年 11 月 1 日の市長選挙で争点になった京都スタジアム(仮称)の事業は、その後も紆余曲折が続いています。市長選では投票総数の4割に迫る 12,096 人もの亀岡市民が、スタジアム計画に対して何らかの異議を示したものと考えられます。また、アユモドキに関してはIUCNがレッドリストに指定するなど、当初から問題山積であった事業を取り巻く状況は、ますます困難を極めています。

 しかしながら、京都府と亀岡市は4月、唐突に示された環境保全専門家会議の座長提言を受けるとして、8月に建設用地を駅北区画整理事業用地に変更する案を表明しました。
 「スタジアムを建設するからアユモドキも護れる」という不合理な理由により、リスクを承知で当初の都市計画公園用地を、14 億円もの巨費を投じて取得したにもかかわらず、いとも簡単に今度は区画整理用地を買収するとの市長の発言には、いささか耳を疑う市民も少なくなかった事でしょう。亀岡市財政のいったいどこにそんな余裕があるのでしょうか。

 11 月 22 日に開催が予定される説明会は、「誘致に係る経過報告や現在の取組状況などについて」とあり、「スタジアムに関する説明会」となっていません。従来、「スタジアムについては府が建設してくれるものだから」という理由で、市はその説明を避けてきた経緯がありますが、建設地を全く別の小さな敷地に変更するという事ですから、建築計画や付帯施設の配置計画、事業計画、財政問題なども含めた、スタジアム事業の全体計画について、京都府と合同で市民に直接説明することが求められます。

 そこで私どもは以下の項目について、22 日の説明会に盛り込まれるよう、依頼いたします。

1.座長提言にある地下水脈保全の条件が担保されていない現時点で、変更用地の決定を行う合理的な理由を示すこと。

2.府知事は「新たな用地では地下に設けていた雨水の一時貯留ピットは必要なくなるからその分も建設コストが安く抑えられる」とメディアで発言しているが、これについての亀岡市の考え方を、その理由と併せて示すこと。

3.京都府はすでに建物の実施設計に関する設計者選定手続きを進めているが、基本設計について当初敷地での基本設計を「一部変更」で済ませるという。これを亀岡市はどのように理解しているのか。当初用地は 13.9 ㏊あり、プロ用のスタジアム本体だけでなく、市民も利用できるサブグラウンドや大規模な駐車場などが整備されると説明されていたが、面積がわずか 3.2 ㏊の新たな予定地の中にこれらの施設が問題なく配置できるという具体的な計画図を示すこと。

4.スタジアム本体の構造、外観デザイン、観客席の構成や付帯施設の計画に、仮に変更があるとすれば、すでに市民に公表してきた基本設計図やプロモーション映像などについても、どのように変更になるのか、同様の手段によって説明すること。

5.市長は、「新たな用地購入についてはスタジアム関連費 50 億円の範囲内に収める」としているが、選挙の際には、「公園用地取得には国庫補助があるので、市のスタジアム関連支出は 50 億円ではない」と主張していた。この矛盾について説明するとともに、財政上の資金計画と予算の内訳について、書面で示したものを説明会で配布すること。当然これには、旧用地購入費用を含めて、実際に市が負担することになる費用の総額を明示すること。

 スタジアム本体に関して、京都府は地元亀岡市民に対して、これまで一度も説明の機会を設けていません。これは京都府の条例にも抵触する問題です。万一京都府にその意志がないのであれば、亀岡市が京都府に対して、地元説明会の実施を要請するのが筋であると考えます。今回の説明会に京都府が来ないのであれば、改めて京都府と亀岡市による合同説明会を、速やかに開催するよう依頼いたします。
 「スタジアムに関しては、市民に丁寧に説明しながら進めていく。」
 この選挙公約を、桂川市長には是非とも実現していただきたいと、期待を込めて依頼申し上げます。

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