太古の昔から、そしてあのバブル経済の時期にでさえ、先人たちが決して開発の手を伸ばさずに護ってきた、亀岡駅北の広大な遊水地。そこには、これからも、ずっと護り続けなければならないわけがあります。

亀岡市は、河川の改修が一定程度進んだからという理由で、駅北の開発を認可しました。しかしそれは、河川が10年確率の豪雨に耐えられるように改修を済ませたということであり、豪雨の度に繰り返される水害が防止できるようになったということではありません。桂川の堤防は、依然として霞堤といって、豪雨の際は遊水地に水を溢れさせて、河川や、下流域を護る構造のままです。

平成25年の台風18号は、この駅北エリアを中心に、亀岡市の市街地までを広く水没させました。しかし亀岡市は、この衝撃的な事実にも真摯に向き合おうとせず、駅北開発事業を推進し、スタジアムを誘致するための都市計画公園事業を粛々と進めています。

しかもその場所には、国の天然記念物アユモドキが絶滅に瀕していて、国内外の自然保護団体も、スタジアム計画の白紙撤回を求めています。

私たちは、この駅北の区画整理開発とスタジアム建設という、一部の人々の利益のために進める愚行を、何としても止めて、家族や市民の安全と、失ってしまえば、二度と取り戻せない自然やおいしい水、それに美しい景観を護るために、この訴訟で闘っています。